人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)- 帝国データバンク
2026.03.01
【2026年最新調査】人材派遣業界が人手不足率60%でトップ!派遣会社が今すぐ取るべき人材確保戦略
「派遣スタッフが集まらない」──これは今、多くの派遣会社が直面している最大の経営課題ではないでしょうか。帝国データバンクが2026年1月に発表した「人手不足に対する企業の動向調査」では、衝撃的なデータが明らかになりました。
非正社員の不足を感じている企業の割合を業種別に見ると、「人材派遣・紹介」業界が60.0%でトップとなったのです。つまり、派遣スタッフを派遣先企業に供給する側である派遣会社自身が、最も深刻な人手不足に陥っているという皮肉な状況です。
派遣業界に特化し70社以上を支援してきた社労士として、また厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として13年間で延べ10,000人以上を指導してきた経験から言えるのは、「今、適切な人材確保戦略を実行できるかどうかが、派遣会社の生き残りを左右する」ということです。
この記事では、帝国データバンクの調査データを詳しく分析し、派遣会社が今すぐ取るべき具体的な人材確保戦略を、実務に即した形で徹底解説します。
派遣業界の人手不足率60%が示す深刻な現実
なぜ派遣会社自身が人手不足に陥っているのか
派遣会社は本来、人手不足に悩む企業に対して人材を供給する存在です。それなのに、なぜ派遣会社自身が最も深刻な人手不足に陥っているのでしょうか。その背景には、3つの構造的な要因があります。
**要因1: 正社員雇用の拡大による人材の流出**
景気回復と慢性的な人手不足を背景に、多くの企業が正社員採用を積極化しています。派遣スタッフとして働いていた優秀な人材が、正社員のオファーを受けて離脱するケースが増えているのです。
**要因2: 派遣という働き方に対する労働者の選別眼の厳しさ**
「派遣なら何でもいい」という時代は終わりました。労働者は、待遇、職場環境、キャリアパス、派遣会社のサポート体制など、様々な要素を総合的に判断して派遣会社を選ぶようになっています。選ばれない派遣会社には、人材が集まらないのです。
**要因3: 少子高齢化による労働人口の絶対的減少**
これは派遣業界だけの問題ではありませんが、労働人口が減少する中で、あらゆる業界が人材獲得競争を繰り広げています。派遣業界も例外ではなく、むしろ「正社員ではない」という点で不利な状況にあります。
帝国データバンク調査から読み解く業界別の人手不足状況
帝国データバンクの調査では、「人材派遣・紹介」以外の業界の人手不足状況も明らかにされています。この比較から、派遣業界の特殊性が浮き彫りになります。
**非正社員不足率トップ5**
1. 人材派遣・紹介: 60.0%
2. 飲食店: 55.3%
3. 飲食料品小売: 53.8%
4. 娯楽サービス: 52.1%
5. 旅館・ホテル: 51.4%
注目すべきは、派遣業界が2位以下を大きく引き離してトップであるという点です。他の業界も深刻な人手不足に悩んでいますが、派遣業界の状況はそれをさらに上回る厳しさなのです。
派遣会社が今すぐ取るべき5つの人材確保戦略
人手不足率60%という厳しい現実の中で、派遣会社はどのような戦略で人材を確保すればよいのでしょうか。私がこれまで支援してきた派遣会社の成功事例から、効果的な5つの戦略をご紹介します。
戦略1: 「選ばれる派遣会社」になるための差別化
人材不足の時代、派遣会社が「人材を選ぶ」のではなく、「人材から選ばれる」立場になっています。他社との差別化を明確にし、「この派遣会社で働きたい」と思ってもらえる魅力を作ることが不可欠です。
**差別化のポイント**
- 時給の適正化(市場平均以上の提示)
- 充実した福利厚生(健康診断、研修制度、表彰制度など)
- キャリアパスの明示(長期的に働ける道筋を示す)
- 手厚いフォロー体制(定期面談、相談窓口の充実)
- 派遣先企業の質(優良企業との取引実績)
ある派遣会社では、派遣スタッフ全員に対してキャリアカウンセリングを実施し、「3年後、5年後にどうなりたいか」を一緒に考える体制を構築しました。この結果、「キャリアを考えてくれる派遣会社」として口コミで評判が広がり、応募者数が前年比50%増加しました。
戦略2: デジタルマーケティングの活用
人材確保の手法も、時代とともに変化しています。従来の求人広告だけでなく、SNS、自社サイト、口コミサイトなど、デジタルチャネルを活用した採用活動が効果を発揮します。
**具体的な施策**
- 自社サイトの充実(働くスタッフの声、福利厚生の詳細など)
- SNS(Instagram、X、Facebookなど)での情報発信
- Googleビジネスプロフィールの最適化
- 派遣スタッフによる紹介キャンペーン
- 口コミサイトでの高評価獲得
特に若い世代は、求人情報を探す際にスマートフォンを使い、SNSや口コミサイトで情報収集をします。デジタル上での存在感を高めることが、人材確保の重要な鍵となります。
戦略3: 既存派遣スタッフの定着率向上
新規採用だけでなく、既に働いている派遣スタッフの定着率を向上させることも、人手不足対策として極めて重要です。定着率が上がれば、採用コストの削減、派遣先企業との信頼関係強化、そして何より派遣スタッフの満足度向上という好循環が生まれます。
**定着率向上の施策**
- 定期的な面談による悩みの早期発見
- 派遣先企業との連携による就業環境の改善
- スキルアップ研修の実施
- 昇給制度の明確化
- 派遣スタッフ同士の交流会の開催
離職の多くは、「派遣会社が自分のことを見てくれていない」という孤独感から生じます。定期的なコミュニケーションを取り、「あなたのことをちゃんと見ています」というメッセージを伝え続けることが、定着率向上の基本です。
戦略4: 多様な人材の活用
従来のターゲット層だけでなく、多様な人材に目を向けることで、人材確保の幅が広がります。
**活用すべき多様な人材**
- シニア層(60代以上でも働ける環境の整備)
- 外国人材(適正な在留資格の確認と日本語サポート)
- 主婦層(短時間勤務、扶養内勤務の柔軟な対応)
- 障がい者(適切な配慮と受け入れ体制の整備)
- 副業・兼業希望者(柔軟な勤務時間の設定)
ある派遣会社では、60代のシニア層に特化した派遣サービスを開始し、「経験豊富で責任感が強い」として派遣先企業から高い評価を得ています。従来とは異なる層にアプローチすることで、新たな人材源を開拓できるのです。
戦略5: 派遣先企業との協力関係の強化
人材確保は、派遣会社だけの努力では限界があります。派遣先企業と協力し、「この職場で働きたい」と思ってもらえる就業環境を整えることが重要です。
**派遣先企業との協力ポイント**
- 就業環境の改善提案(休憩室の整備、受け入れ体制の構築など)
- 派遣スタッフへの適切なフィードバックの実施
- 正社員登用制度の整備
- ハラスメント防止体制の徹底
派遣先企業にとっても、派遣スタッフが定着すれば育成コストが削減でき、生産性が向上します。Win-Winの関係を構築することが、長期的な人材確保につながります。
人手不足時代の派遣会社経営で絶対に外してはいけないポイント
人手不足が深刻化する中で、派遣会社の経営において絶対に外してはいけないポイントがあります。
**ポイント1: 法令遵守の徹底**
人手不足だからといって、法令を軽視した採用や就業をさせてはいけません。労使協定、同一労働同一賃金、社会保険加入など、基本的な法令遵守は派遣会社の生命線です。
**ポイント2: 派遣スタッフファーストの姿勢**
派遣会社のお客様は、派遣先企業だけではありません。派遣スタッフもまた、重要なお客様です。派遣スタッフを大切にする姿勢が、結果的に人材確保につながります。
**ポイント3: 長期的視点での経営**
目先の利益を追求して派遣スタッフを使い捨てにするような経営では、長期的な成長は望めません。派遣スタッフのキャリア形成を支援し、ともに成長する姿勢が重要です。
まとめ: 人手不足は危機であり、同時にチャンスでもある
人材派遣業界の人手不足率が60%でトップという事実は、確かに厳しい現実です。しかし、これを「危機」と捉えるか「チャンス」と捉えるかで、今後の経営は大きく変わります。
人手不足の時代だからこそ、「選ばれる派遣会社」になるための努力が報われます。派遣スタッフを大切にし、適正な待遇を提供し、キャリア形成を支援する派遣会社には、優秀な人材が集まり、派遣先企業からも信頼されるのです。
私は派遣業界に特化した社労士として、厚生労働省指定の派遣元責任者講習の主任講師として、そして東京大学卒という論理的思考力と年金事務所・労基署・ハローワークでの勤務経験による行政対応力を持つ専門家として、派遣会社の皆様の人材確保戦略を全力でサポートしています。
顧問先の90%超が派遣会社という専門性の高さを活かし、現場で本当に使える実務支援を提供し続けています。「人材が集まらなくて困っている」「定着率を向上させたい」「他社との差別化を図りたい」といったご相談がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
人手不足時代の派遣会社経営は、確かに厳しい。しかし、正しい戦略と実行力があれば、必ず道は開けます。ともに、この困難を乗り越えていきましょう。
【参考】
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260220-laborshortage202601/
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派遣会社向け社労士業務
サービス内容・料金について(4万円~)
- 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
- 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
- 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
- 4) 派遣契約関連書類の作成
- 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
- 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
- 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
- 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
- 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
- 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言
セミナー、研修、講演開催
料金について
| セミナー、研修、講演 | 【オンライン】 1時間あたり3万円 |
|---|---|
| 【オフライン】 1時間あたり5万円 |
講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。
「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」
「料金交渉が不要で助かります」
「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」
などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師 - 神奈川韓国商工会議所様 主催
経営者セミナー「お役立ち助成金講座
(雇用の確保と5年ルールへの対応策)」 - 日本経営開発協会様 御紹介
株式会社根布工業様 主催
安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ
研修について
当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。
研修のご依頼例
- 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
- 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)


