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NEW 【2026年度最新】派遣「労使協定方式」の一般賃金水準が公表!派遣会社が押さえるべき実務対応と賃金改定のポイント   2026.02.22

派遣会社の経営者・人事担当者の皆様、2026年度適用分の「一般労働者の賃金水準(局長通達)」が厚生労働省から公表されました。労使協定方式を採用している派遣会社(全体の9割以上)にとって、この通達は派遣労働者の賃金を決定する重要な基準となります。

 

2025年度と比較して、通勤手当は73円から79円へ6円増加し、その他の指数も更新されています。本記事では、2026年度の一般賃金水準のポイントと、派遣会社が今すぐ対応すべき実務について詳しく解説します。

 

## 労使協定方式とは:同一労働同一賃金の基本をおさらい

 

### 派遣法における2つの待遇決定方式

 

2020年4月施行の改正派遣法により、派遣労働者の待遇決定方式として、以下の2つが義務化されました。

 

**1. 派遣先均等・均衡方式(派遣先方式)**

派遣先企業の正社員と派遣労働者の待遇を比較し、不合理な待遇差を解消する方式。派遣先企業から詳細な待遇情報を提供してもらう必要があります。

 

**2. 労使協定方式**

派遣元(派遣会社)が労働者代表と労使協定を締結し、一般労働者の賃金水準(職業安定局長通達)以上の賃金を支払う方式。派遣先企業が変わっても、派遣労働者の賃金が安定するメリットがあります。

 

現在、9割以上の派遣会社が「労使協定方式」を選択しています。その理由は、派遣先企業ごとに待遇情報を収集する手間が省けることと、派遣労働者の賃金が派遣先の変更により不安定にならないためです。

 

### 一般労働者の賃金水準(局長通達)の役割

 

労使協定方式を採用する場合、派遣労働者に支払う賃金は「一般労働者の賃金水準」以上でなければなりません。この賃金水準は、厚生労働省の職業安定局長が各都道府県労働局長あてに発令する「局長通達」として、毎年公表されます。

 

一般労働者の賃金水準は、以下の統計データをベースに算出されます。

 

**データソース**

・「職業安定業務統計」(ハローワーク統計):一般労働者の賃金データ

・「賃金構造基本統計調査」(賃構統計):産業別・職種別の詳細な賃金データ

 

これらの最新データ(2024年度のハローワーク統計と2024年の賃構統計)を用いて、2026年度適用分の一般賃金水準が算出されました。

 

## 2026年度の一般賃金水準:主な変更点と注目ポイント

 

### 通勤手当が73円から79円へ6円増加

 

最も注目すべき変更点は、**通勤手当が時給換算で73円から79円へ6円増加**したことです。これは約8.2%の増加率であり、通勤費の実勢を反映したものです。

 

派遣会社は、労使協定方式を採用している場合、派遣労働者への通勤手当を少なくとも79円以上(時給換算)支払う必要があります。

 

**実務上の対応**

・現在の通勤手当が73円未満の派遣労働者については、79円以上に引き上げる

・通勤手当を実費支給している場合でも、時給換算で79円以上となっているかを確認

・派遣労働者への説明資料を準備する

 

### その他の指数の変更点

 

**学歴計初任給との調整:12.5%(0.1ポイント減)**

一般労働者の初任給水準との調整係数です。2025年度の12.6%から0.1ポイント減少しました。これは、経験年数に応じた賃金カーブを反映するための指数です。

 

**退職金割合:5%(変更なし)**

退職金制度を設けていない場合、賃金に上乗せする割合です。2025年度から変更はありません。

 

**賞与指数:0.02(変更なし)**

賞与相当分を時給に換算するための指数です。こちらも2025年度から変更はありません。

 

### 昨今の経済・物価動向を勘案した賃金決定の要請

 

2024年度の局長通達から、本文に以下の文言が追加されており、2026年度も引き続き記載されています。

 

「協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、改訂後の一般賃金水準を順守した上で、昨今の経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定するよう労使で十分に協議すること」

 

これは、局長通達の賃金水準を最低基準として守った上で、さらに物価上昇や賃金動向を踏まえて、より高い賃金を設定するよう求めるものです。

 

つまり、「局長通達の賃金水準さえクリアすれば良い」というわけではなく、経済状況に応じてより手厚い待遇を提供することが期待されています。

 

## 派遣会社が今すぐ対応すべき実務ステップ

 

2026年度の一般賃金水準に対応するため、派遣会社は以下のステップで実務を進める必要があります。

 

### ステップ1:現状の賃金水準の確認

 

まず、自社の派遣労働者の賃金が2026年度の一般賃金水準を満たしているかを確認しましょう。

 

**確認ポイント**

・基本給(時給)が職種別・地域別の一般賃金水準以上か

・通勤手当が79円以上(時給換算)か

・退職金制度がない場合、5%の上乗せがあるか

・賞与に相当する支給があるか、または賞与指数に基づく上乗せがあるか

 

### ステップ2:不足分の賃金改定計画の策定

 

一般賃金水準を下回っている派遣労働者がいる場合、賃金改定が必要です。改定のタイミングと金額を計画しましょう。

 

**改定タイミングの例**

・2026年4月1日(年度の切り替え)

・派遣契約の更新時

・労使協定の改定時

 

一斉に改定する方法と、契約更新時に順次改定する方法がありますが、派遣労働者間の公平性を考えると、一斉改定が望ましいでしょう。

 

### ステップ3:労使協定の改定

 

労使協定方式を採用している場合、労使協定書を2026年度の一般賃金水準に対応した内容に改定する必要があります。

 

**改定が必要な項目**

・基本給・賞与等の決定方法(2026年度の一般賃金水準を参照)

・通勤手当(79円以上)

・その他の手当や福利厚生

 

労使協定は、労働者代表(過半数労働組合または過半数代表者)との協議の上で締結します。労働者代表の選出手続きが適正に行われているかも確認しましょう。

 

### ステップ4:派遣労働者への説明

 

賃金改定を行う場合、派遣労働者に対して丁寧な説明が必要です。

 

**説明すべき内容**

・2026年度の一般賃金水準が公表されたこと

・それに伴い、自社の賃金も改定すること

・改定後の具体的な賃金額

・改定のタイミング

・質問や相談がある場合の連絡先

 

説明は、個別の面談、説明会、書面の配布など、複数の方法を組み合わせると効果的です。

 

### ステップ5:派遣先企業との料金交渉

 

派遣労働者の賃金を引き上げる場合、派遣先企業に対して派遣料金の改定を交渉する必要があります。

 

**交渉のポイント**

・厚生労働省の局長通達に基づく賃金改定であることを説明

・派遣料金の適正化に関する政府指針を提示

・派遣労働者の待遇改善が派遣先企業にとってもメリットがあることを強調

 

料金交渉については、前述の「派遣料金の適正化」に関する記事も参考にしてください。

 

### ステップ6:給与計算システムの更新

 

賃金改定に伴い、給与計算システムの更新が必要です。

 

**更新が必要な項目**

・基本給(時給)のマスタ

・通勤手当の計算ロジック

・その他の手当の設定

 

システム更新には時間がかかる場合があるため、早めに着手しましょう。

 

### ステップ7:記録の保管

 

労使協定書、賃金改定の根拠資料、派遣労働者への説明資料などは、適切に保管しましょう。行政指導や監査の際に提示を求められることがあります。

 

**保管すべき記録**

・労使協定書(原本)

・労働者代表の選出に関する記録

・2026年度の一般賃金水準(局長通達)

・賃金改定の決定に関する稟議書

・派遣労働者への説明資料

・派遣先企業との料金交渉の記録

 

## 物価・賃金動向を踏まえた「プラスアルファ」の検討

 

前述の通り、局長通達には「昨今の経済・物価動向及び賃金動向を勘案して賃金を決定する」よう求める文言が記載されています。

 

### 2024〜2026年の経済状況

 

2024年以降、日本経済は以下のような状況にあります。

 

**物価動向**

・消費者物価指数(CPI)は前年比2〜3%の上昇が続いている

・特にエネルギー価格、食料品価格の上昇が顕著

 

**賃金動向**

・2024年の春闘では、大手企業を中心に5%超の賃上げが実現

・中小企業でも3〜4%の賃上げが一般的

・最低賃金も毎年3〜4%のペースで引き上げられている

 

### 局長通達を上回る賃金設定の検討

 

こうした経済状況を踏まえると、局長通達の賃金水準はあくまで「最低基準」であり、物価上昇に見合った賃金改定を行うには、さらに上乗せが必要です。

 

**上乗せの目安**

・物価上昇率(2〜3%)を考慮した賃金改定

・同業他社の賃金動向を参考にした競争力のある賃金設定

・派遣労働者のスキルや経験に応じた適正な評価

 

たとえば、局長通達の賃金水準が時給1,500円だとしても、物価上昇率3%を考慮すれば、1,545円(1,500円×1.03)が適正水準と言えます。

 

### 優秀な人材確保のための戦略的賃金設定

 

人材不足が深刻化する中、優秀な派遣労働者を確保するためには、競合他社よりも魅力的な待遇を提供することが重要です。

 

**戦略的賃金設定のポイント**

・局長通達の賃金水準を基本としつつ、さらに5〜10%上乗せ

・経験年数やスキルレベルに応じた明確な昇給制度

・資格取得やスキルアップに対するインセンティブ

・長期勤続に対する手当や表彰制度

 

「選ばれる派遣会社」になるためには、単に法令を遵守するだけでなく、派遣労働者にとって魅力的な待遇を提供することが不可欠です。

 

## よくある質問:労使協定方式の実務Q&A

 

### Q1. 労使協定の有効期間はどのくらいが適切?

 

**A.** 労使協定には法定の有効期間はありませんが、一般的には1年間とするケースが多いです。毎年、一般賃金水準が更新されるため、それに合わせて労使協定も毎年改定することが推奨されます。

 

### Q2. 労働者代表はどのように選出すればよい?

 

**A.** 労働者代表は、以下のいずれかです。

 

・過半数労働組合(派遣労働者の過半数が加入する労働組合)

・過半数代表者(派遣労働者の過半数を代表する者を、投票・挙手などの民主的な方法で選出)

 

多くの派遣会社では過半数代表者を選出しています。選出プロセスは記録として保管しましょう。

 

### Q3. 派遣労働者ごとに賃金が異なっても問題ない?

 

**A.** はい、問題ありません。労使協定方式では、「一般労働者の賃金水準以上」であることが要件であり、派遣労働者ごとに経験やスキルに応じて賃金を設定することは可能です。むしろ、公正な評価に基づく賃金設定が推奨されます。

 

### Q4. 一般賃金水準を下回っている派遣労働者が見つかった場合、遡って賃金を支払う必要がある?

 

**A.** 法令上、遡及支払いの義務はありませんが、発覚した時点で速やかに是正することが必要です。また、長期間にわたり一般賃金水準を下回っていた場合、行政指導の対象となる可能性があります。

 

### Q5. 派遣先企業が料金改定に応じない場合はどうすればよい?

 

**A.** まず、政府指針や日本人材派遣協会の依頼文書を提示し、労務費の適切な転嫁の必要性を説明しましょう。それでも応じない場合は、都道府県労働局に相談することも検討してください。

 

また、長期的には、適正な対価を支払わない派遣先企業との取引を見直すことも選択肢です。

 

## 派遣労働者とのコミュニケーションが成功の鍵

 

賃金改定を成功させるためには、派遣労働者とのコミュニケーションが非常に重要です。

 

### 派遣労働者の不安を解消する

 

賃金改定の時期には、派遣労働者から様々な質問や不安の声が寄せられます。

 

**よくある質問**

・「私の賃金はいくらになるの?」

・「いつから変わるの?」

・「派遣先が変わっても同じ賃金が保証されるの?」

 

こうした質問に丁寧に対応することで、派遣労働者の信頼を獲得できます。

 

### 定期的な面談の実施

 

賃金改定のタイミングだけでなく、定期的に派遣労働者と面談を行い、キャリアプランや待遇に関する希望をヒアリングすることが重要です。

 

**面談で確認すべき内容**

・現在の仕事の満足度

・スキルアップの希望

・賃金や待遇に関する要望

・キャリアプランの方向性

 

### 派遣労働者の声を経営に反映

 

派遣労働者から寄せられた意見や要望は、経営層に報告し、可能な限り制度改善に反映させましょう。「自分たちの声が届いている」と感じてもらうことが、定着率向上につながります。

 

## まとめ:2026年度の賃金改定は派遣会社の信頼を高めるチャンス

 

2026年度の一般賃金水準の公表に伴い、労使協定方式を採用している派遣会社は、派遣労働者の賃金を見直す必要があります。これは法令遵守のための義務であると同時に、派遣労働者からの信頼を高め、優秀な人材を確保するための絶好の機会でもあります。

 

**今すぐ始めるべきアクション**

✅ 厚生労働省のウェブサイトから2026年度の局長通達を入手

✅ 自社の派遣労働者の賃金が一般賃金水準を満たしているかを確認

✅ 必要に応じて賃金改定計画を策定

✅ 労使協定の改定準備を開始

✅ 派遣労働者への説明資料を作成

✅ 派遣先企業との料金交渉を準備

✅ 物価・賃金動向を踏まえた「プラスアルファ」の賃金設定を検討

 

派遣労働者の待遇改善は、派遣会社の社会的責任であり、同時に企業の競争力を高める投資でもあります。法令を遵守することはもちろん、それを上回る魅力的な待遇を提供することで、「選ばれる派遣会社」を目指しましょう。

 

派遣労働者の笑顔が、派遣会社の成長につながります。2026年度の賃金改定を成功させ、派遣労働者にとっても派遣会社にとっても、より良い未来を築いていきましょう。

 

【参考情報】

・厚生労働省「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(2026年度適用)」

・労働者派遣法、同一労働同一賃金ガイドライン

 

【記事URL】

https://www.careerpower.co.jp/topics/2025/09/02/news250902_1/

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当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

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当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
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ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

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