ブログ

NEW 派遣会社経営者が知っておくべき「休業手当の計算違い」と是正要求への対応策   2026.02.18

今、派遣業界で何が起きているのか

日本全国の派遣会社で、労働基準監督署からの「休業手当の計算違い」に関する是正要求が急増しています。新型感染症の影響や景気変動による受注減少を背景に、派遣社員を休業させるケースが増えたことで、この問題が顕在化しました。

多くの派遣会社が「平均賃金の正しい計算方法」「派遣先都合の休業時の補償範囲」「シフト制での算定方法」といった疑問を抱えながら、手探りで処理しているのが実情です。その結果、後日まとめて差額支払いを求められ、経営に大きな影響を与えるケースも少なくありません。

 

派遣会社特有の複雑性

派遣会社における休業手当の問題は、「雇用主は派遣元」「業務指示は派遣先」という二重構造により、通常の事業会社よりも複雑です。

労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務が定められています。ここで重要なのは、派遣先の都合で就業できない場合でも、派遣元が原則として休業手当を支払う義務を負うという点です。

「派遣先から仕事がない」「契約が途中終了した」という事情があっても、直ちに「不可抗力」とは認められません。天災地変など極めて限定的なケース以外は、派遣元の経営リスクの範囲と考えられます。

 

よくある計算ミスの実例

ある派遣会社では、派遣先の工場操業停止により派遣社員を自宅待機とし、「時給×所定労働時間×60%」で計算していました。しかし労働基準監督署から「平均賃金の算定が誤っている」と指摘を受けました。

正しくは、過去3か月間の残業代や各種手当も含めた総額を基礎とすべきところ、基本給のみで算定していたのです。結果として1人あたり数万円の不足が生じ、複数名分を合算すると相当額の追払いとなりました。

形式的に「60%支払っているつもり」でも、算定基礎が誤っていれば違法となります。

派遣会社が押さえるべき4つのポイント

1. 平均賃金の正確な算定

直近3か月の賃金総額を総日数で除する方法が原則ですが、日給制・時給制・シフト制では最低保障額との比較が必要です。

2. 待機期間の扱い

次の派遣先が決まるまでの「待機期間」を無給とできるかは、雇用契約の内容や実態によって判断されます。安易に無給扱いすると後日トラブルになります。

3. 助成金との整合性

雇用調整助成金はあくまで補填制度であり、適正な休業手当の支払いが前提です。計算を誤れば助成金返還のリスクもあります。

4. 社内チェック体制の構築

担当者任せにせず、算定根拠を明確にし、ダブルチェックを行う体制づくりが不可欠です。

 

適正化がもたらす3つのメリット

休業手当の計算を適正化することは、単なる法令遵守以上の価値があります。

第一に、労務トラブルの未然防止です。派遣社員との信頼関係が維持され、口コミや評判の低下を防げます。

第二に、行政調査リスクの軽減です。一度是正勧告を受けると、他の労務管理項目まで調査が拡大することがあります。

第三に、助成金の適正受給につながります。正しい計算ができていれば、追加資料提出や返還の心配も減ります。

 

全国展開企業のリスク管理

全国展開している派遣会社ほど、拠点ごとに運用がバラバラになりがちです。これを防ぐには、

  • 本社主導の統一マニュアル作成
  • 平均賃金算定シートの標準化
  • 管理職向け労務研修の実施
  • 定期的な内部監査

といった仕組みづくりが重要です。労務管理は「問題が起きてから対応する」ものではなく、「起きないように整備する」ものです。

 

社会保険労務士への相談がもたらす価値

休業手当の問題は、単なる計算ミスではなく、法的判断を伴う専門領域です。特に派遣業界は労働契約、派遣契約、助成金制度が複雑に絡み合います。

社会保険労務士事務所みなとみらい人事コンサルティングでは、派遣会社特有の課題に即した実践的なアドバイスを提供しています。自社のリスク診断、平均賃金計算のチェック、就業規則や契約書の整備、労基署対応のサポートなど、包括的な支援が可能です。

休業手当の計算に不安がある場合や、是正要求を受けた場合は、早めの専門家相談が企業を守る第一歩となります。適切な労務管理体制を整え、安心して事業運営を行うために、ぜひホームページのお問合せよりご連絡ください。

初回のご相談は無料です。

お問い合わせフォームはこちら

ブログ最新記事

カテゴリ別

月別記事

サービス案内

派遣会社向け社労士業務

サービス内容・料金について(4万円~)

  1. 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
  2. 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
  3. 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
  4. 4) 派遣契約関連書類の作成
  5. 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
  6. 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
  7. 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
  8. 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
  9. 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
  10. 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言

こちらの「事務所案内」をご参照ください

セミナー、研修、講演開催

料金について

セミナー、研修、講演 【オンライン】
1時間あたり3万円
【オフライン】
1時間あたり5万円

講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。 

「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」

 「料金交渉が不要で助かります」

 「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」

 などなど、多くのお客様に喜ばれております。

セミナーについて

当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。

セミナー開催実績例
  • 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
  • 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
  • 新規採用をお考えの事業者様向け
    「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
  • 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」

講演について

当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。

講演実績

日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修

「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」

【参加者様からのお声】

  • 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
  • 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
  • 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
  • マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。

一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」

【参加者様からのお声】

  • メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
  • 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
  • メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
  • 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
  • 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
  • 株式会社LEC 様 主催
    「介護雇用管理研修」業務委託登録講師
  • 株式会社フィールドプランニング 様 主催
    「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師
  • 神奈川韓国商工会議所様 主催
    経営者セミナー「お役立ち助成金講座
    (雇用の確保と5年ルールへの対応策)」
  • 日本経営開発協会様 御紹介
    株式会社根布工業様 主催
    安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ

講演会の講師紹介・講師派遣なら講演依頼.com

研修について

当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。

研修のご依頼例

  • 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
  • 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
  • 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい

執筆のご依頼

雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。

掲載履歴

HP記事執筆

ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。

「働き方改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号

「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。

「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」

「SR」 9月号

SR 9月号

ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。

ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。

(第27号 2012年8月6日発売)

元職員が指南する!ハローワークの効果的な利用の仕方

ページトップ