【2026年労働基準法改正】派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策と助成金活用法
2026.02.22
はじめに|2026年労働基準法改正は「派遣会社の経営問題」です
2026年に検討されている労働基準法の大改正。
ニュースでは「中小企業の人件費が急増」「倒産リスク」など、刺激的な言葉が並んでいます。
しかし、派遣会社にとって本当に重要なのは――
**・派遣料金への影響
・マージン率の変動
・偽装請負リスクの拡大
・未払い残業代の連鎖請求**
といった“実務への波及”です。
私は社会保険労務士として、多くの派遣会社の労務監査や行政調査対応に携わってきましたが、今回の改正は「準備している会社」と「様子見の会社」で大きな差がつくと感じています。
本記事では、
- 2026年労働基準法改正のポイント
- 派遣会社が直面する具体的リスク
- 今すぐ打つべき3つの実務対策
- 助成金・税制を活用した“攻めの戦略”
を、わかりやすく解説します。
---
1. 【2026年労働基準法改正】何が変わるのか?
今回の改正議論で注目されているのは、主に次の3点です。
① 週44時間特例の廃止
小規模事業場で認められてきた「週44時間まで残業扱いなし」の特例が廃止される方向です。
▶ 派遣会社への影響
派遣先が小規模飲食店や小売店の場合、
これまで通常労働だった時間が**自動的に残業扱い**になります。
結果として、
- 派遣先の人件費増加
- 派遣料金の値下げ圧力
- マージン率悪化
という連鎖が起きる可能性があります。
---
② “名ばかり管理職”問題の顕在化
労働時間の客観的把握が義務化され、
管理監督者の要件がより厳格に判断される流れです。
▶ 派遣会社への影響
派遣元で「管理職扱い」にしている社員が、
- 権限がない
- 賃金が見合っていない
- 出退勤が厳しく管理されている
場合、**過去3年分の未払い残業代請求リスク**が生じます。
特に派遣会社は、
営業責任者・支店長・コーディネーターなどを
「管理職」として扱っているケースが多く、要注意です。
---
③ 勤務間インターバル義務化の強化
勤務終了から次の出勤まで
原則11時間空けるルールが強化される可能性があります。
▶ 派遣会社への影響
- 夜勤明け→翌朝勤務が不可
- シフト再設計が必要
- 派遣人数の増員圧力
つまり、
**残業代増+人員増=二重のコスト増**
が現実になります。
---
2. 派遣会社が陥りやすい「安易な外注化」の落とし穴
人件費増に直面すると、こう考える経営者もいます。
> 「社員を業務委託に切り替えればいいのでは?」
しかし、これは極めて危険です。
■ 労働者性の判断は“実態”で決まる
- 出勤時間が決まっている
- 指揮命令を受けている
- 会社のPCを使っている
このような場合、形式が「業務委託」でも
実態は労働者と判断される可能性が高いです。
---
■ 偽装請負と認定された場合のリスク
もし税務調査や労基署調査で否認されると、
① 未払い残業代の遡及請求
② 社会保険の遡及加入
③ 消費税の外注費否認
という“トリプルパンチ”が待っています。
年間外注費5,000万円なら、
数千万円規模の追徴になることもあります。
目先のコスト削減が、会社の存続を揺るがす事態になりかねません。
---
3. 派遣会社が今すぐ備えるべき3つの対策
では、どう対応すればよいのでしょうか。
【対策①】労働時間管理の再設計
✔ 全従業員の客観的打刻
✔ 管理監督者の適正判定
✔ 月80時間超の是正
派遣スタッフだけでなく、
**内勤社員の労働時間管理**も最優先です。
---
【対策②】派遣料金の戦略的見直し
人件費増を前提に、
- 派遣単価の再設定
- 契約条項の見直し
- インターバル対応費の明示
を進める必要があります。
重要なのは、「改正前」に交渉を始めることです。
制度開始後では遅いのです。
---
【対策③】助成金・税制のフル活用
ここが“攻め”のポイントです。
■ 働き方改革推進支援助成金
インターバル導入や業務効率化設備に対し、
最大720万円の補助。
■ 中小企業経営強化税制
設備投資の即時償却または税額控除。
■ 賃上げ促進税制
賃上げ額の最大45%を法人税から控除。
例えば、
全社員で1,000万円賃上げすれば
最大450万円の税額控除。
「人件費を減らす」のではなく、
**“国に一部負担してもらう”発想**が重要です。
---
4. 2026年改正は“危機”か“チャンス”か
法改正は止められません。
しかし、
- 準備していない会社 → 利益圧迫
- 準備している会社 → 価格転嫁成功+助成金活用
という差が生まれます。
派遣会社は「労働のプロ」です。
顧客企業に対しても、
- インターバル対応提案
- 適正労務管理の助言
- 単価改定の合理的説明
ができる存在になれば、
むしろ信頼は高まります。
---
5. 今すぐ行うべきチェックリスト
□ 管理監督者の要件を精査しているか
□ 労働時間の客観的記録があるか
□ インターバル対応シミュレーションを行ったか
□ 派遣契約書を改定しているか
□ 助成金活用計画を立てているか
1つでも未着手なら、
今が動き出すタイミングです。
---
まとめ|派遣会社が生き残るための正攻法
2026年労働基準法改正は、
- 週44時間特例の廃止
- 名ばかり管理職リスク
- 勤務間インターバル義務化
によって、派遣会社の収益構造に直撃します。
しかし、
✔ 安易な外注化は危険
✔ ごまかしは通用しない
✔ 正攻法+制度活用が最善策
です。
私はこれまで多くの派遣会社の労務改善に関わってきましたが、
共通して言えるのは、
「早く動いた会社ほど傷が浅い」
という事実です。
法改正は脅威ではなく、
**経営体質を強化する機会**でもあります。
今こそ、労務管理を“コスト”ではなく
“経営戦略”として見直してみてください。
派遣会社の未来は、準備で決まります。
【参照記事】
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c0ea4acf779d5966f747d65b69046957b476e87
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派遣会社向け社労士業務
サービス内容・料金について(4万円~)
- 1) 派遣に関する役所への書類作成・提出代行
- 2) 派遣許可の初回申請・更新申請
- 3) 派遣事業報告書の書類作成・提出代行
- 4) 派遣契約関連書類の作成
- 5) 派遣労働者の雇用契約に関連する書類作成
- 6) 労働局調査対応(資料準備、当日の同席)
- 7) 同一労働同一賃金対応の助言・書類作成
- 8) 教育訓練計画に関する助言・報告書書式提供
- 9) 「マージン率等の情報提供」の用紙作成
- 10) 派遣法・労基法等諸法令に関する相談、助言
セミナー、研修、講演開催
料金について
| セミナー、研修、講演 | 【オンライン】 1時間あたり3万円 |
|---|---|
| 【オフライン】 1時間あたり5万円 |
講演内容、業種、出席者数に関わらず、すべて定額の時間単価とさせて頂きます。業界きっての画期的な明朗会計です。
「予め料金が分かっているので、安心して申し込めます」
「料金交渉が不要で助かります」
「時間単価は一定なので、研修時間数を調整すればいいから、予算との折り合いも簡単にできます」
などなど、多くのお客様に喜ばれております。
セミナーについて
当事務所セミナー会場(27Fスカイラウンジ)で、当事務所が独自にテーマを設定し、お申し込み頂いた、複数の会社様にご参加頂くものです。
セミナー開催実績例
- 介護事業者様向け「改正介護保険法セミナー」
- 介護事業者様向け「介護労働環境向上奨励金セミナー」 3回
- 新規採用をお考えの事業者様向け
「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」 - 飲食店様向け「元ハローワーク職員が教える!求人助成金セミナー」
講演について
当事務所代表が会社様や、ご同業者の集まりに訪問し、ご依頼されたテーマ(一般的な課題)について原稿を作成し、講演するものです。
講演実績
日本経営開発協会様 御紹介
市川港開発協議会様 主催 研修
「マイナンバー通知開始!
今知りたいマイナンバー制度の傾向と対策」
【参加者様からのお声】
- 非常に分かりやすく、90分飽きさせることのない素晴らしいものだった。
- 非常に役に立ち、興味が持てる内容だった。
- 普段は講義に集中するのは難儀なのだが、話のスピード、声のトーン、間、どれを取っても感心するばかりだった。
- マイナンバーが今後いろいろな問題を引き起こす可能性があることがよくわかり、大変勉強になった。早期に確実な運用体制を社内に確立させなければと思った。
一般社団法人 港湾労働安定協会 様 主催
雇用管理者研修「職場のメンタルヘルスに関して(会社を守る職場のメンタルヘルス対策)」
【参加者様からのお声】
- メンタルヘルス対策は今後も重要になってくると思うので、このような研修会を増やして貰いたい。
- 社会保険労務士による内容を次回もお願いしたい。
- メンタルヘルス関係で初めて面白い(役に立つ)情報が聞けたと思います。
- 大変に良い研修ですので、これからも続けて貰えるとありがたいです。
- 中間管理職として守るべきというか、部下に対してどのような人事労務管理をすればよいのか、中小企業向けに別途講習会をやってほしいと思った。
- 株式会社LEC 様 主催
「介護雇用管理研修」業務委託登録講師 - 株式会社フィールドプランニング 様 主催
「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」業務委託主任講師 - 神奈川韓国商工会議所様 主催
経営者セミナー「お役立ち助成金講座
(雇用の確保と5年ルールへの対応策)」 - 日本経営開発協会様 御紹介
株式会社根布工業様 主催
安全大会「入ってないと、どうなっちゃうの?社会保険のこわ~いお話」
泉文美 講師紹介ページ
研修について
当事務所代表が、会社様のご依頼に基づき、会社様の具体的な人事労務に関わる内容(個別事案)について、オーダーメイドのプログラムを作成し、社員の皆様に研修するものです。
研修のご依頼例
- 就業規則を変更したので、わかりやすい説明会を開いてほしい
- 給与規定を見直したので、従業員に説明をしてほしい
- 従業員向けの、接客マナー、敬語などのレッスン会をしてほしい
執筆のご依頼
雑誌・メルマガ、HPコラムなど、ご希望に沿ったテーマで記事を執筆いたします。
掲載履歴
HP記事執筆
ハッケン!リクナビ派遣に「働き改革!派遣社員が選べるふたつの雇用とは」と題する記事を執筆しました。
「近代中小企業」2月号
「近代中小企業」2月号に記事を執筆しました。
「元ハローワーク職員が教える!ハローワーク求人&助成金活用法」
「SR」 9月号
ハローワークを始め、社会保険事務所(現:年金事務所)、労働基準監督署でも勤務経験を持ち、「お役所の裏事情に詳しい社労士」として定評のある我がみなとみらい人事コンサルティング代表。
ハローワークでの勤務経験を買われ、日本法令様出版の「SR 9月号」に記事を執筆しました。
(第27号 2012年8月6日発売)


